函館キャンプ
第39回函館キャンプ REPORT
-新島襄の足跡を辿り、自分自身を見つめ直す旅-
港にたたずむ新島襄ブロンズ像
函館キャンプとは?
「函館キャンプ」は今回で第39回目を迎えました。
新島襄は、徳川の時代がまさに終わろうとする変革の時代に青年期を過ごしました。侍であり続けることや出仕奉公に疑問を感じ、鎖国の緩和で諸外国に触れたことがきっかけで、1864年に国禁を犯して脱国します。脱国当時21歳だった新島襄の思いや生き方に触れながら、多様な参加者と共に脱国の地である北海道函館市を訪れることで、同志社で学ぶことの意味や自分自身を見つめ直し、そして、新しいことにチャレンジする意志や夢を明確化・言語化することが本プログラムの目的です。
2024年9月4日(水)~7日(土)の日程で、学生12名・教職員6名の計18名が参加しました。
1日目:「函館までの」自分の足跡を紹介する
ほぼ初対面の参加者たちが函館の地に集い、期待と緊張が混ざり合う中、プログラムがスタートしました。
アイスブレイクと夕食を兼ねたBBQでは、準備を学生たちにすべて委ねました。準備に取り掛かる前にレクレーションをすることですぐに打ち解け、自分たちで役割分担を決めて楽しみながら準備を進める様子が見られました。
その後、自己紹介や経歴紹介を含む「函館までの」足跡紹介とプログラムへの意気込みを学生が一人ずつ発表しました。他者の発表を傾聴し、経歴や考え方の違いに刺激を受けていました。
最後にDoshisha College Songの歌唱練習を行い、1日目のプログラムを終えました。学生の宿は古民家を改装したゲストハウスを利用し、4日間の共同生活が始まりました。
2日目:「函館での」新島襄の足跡を辿る
午前中は「箱館歴史散歩の会」主宰の中尾氏をガイドに迎え、新島襄の縁の地を巡るフィールドワークを実施しました。
事前学習では紙面上の学びだったものが、フィールドワークで現地を実際に訪れることで、知識と感覚・経験が結びつき、新島襄や函館の地への理解を深めることができました。
その後のグループワークでは、フィールドワークでの学びや気付きを他者に共有し、また他者の違う意見や観点を知ることで考え方の幅が広がりました。
夕刻以降は、校友会北海道支部函館クラブの方々と新島襄渡航の地碑前で集合し、懇親会場でOB・OG交流会を実施しました。最後にDoshisha College Songの合唱で納会となりました。
3日目:新島襄が過ごした「函館の今昔」を知る
フィールドワークのテーマ、テーマに沿った行程、発表資料の作成含めたスケジュールをグループで話し合って決め、終日をフィールドワークの時間に充てました。
テーマは三者三様で、街中で見かける屋号を取り上げて調べるグループ、宗教施設の分布を調査するグループ、函館市に多く見られるパブリックアート(モニュメント等)を調べるグループがありました。
短い時間ながらも、各ポイントを巡り、グループによっては函館市役所の所管部署に詳しい話を聞きに行くなど、積極的な行動が見られました。グループごとの発表では収集した情報をどのように展開し、結論付けるかが工夫されていたが、引率教員より多角的な質問やアドバイスによって、より一層意味のある発表となりました。
4日目:総括・振り返り
最終日はプログラムの振り返りを行いました。 新島襄の足跡を辿り、普段とは違う環境で他者との対話を通して得た学び・気付きを纏め、自分の夢や新しくチャレンジしたいことを明確化・言語化していきます。
プログラムを通じて学んだこと・感じたこと、函館OB・OG会との交流、プログラム外での参加者同士の交流により、他者との繋がりの大切さを学ぶと共に、「同志社で学んでいる自分自身」を見つめ直すことに繋がりました。最後には新島襄の「行動力」に感銘を受けた参加者が今後の夢を一人一人全員の前で語り、プログラムは終了しました。4日間の有意義な時間や絆は学生たちにとってたかけがえのないものとなったことでしょう。
プログラム参加者の声
- チームワーク力がついたと思います。いろいろと作業を分担して、それぞれの得意・不得意を生かしたグループワークができました。(3年次生)
- 函館キャンプを通して、新島襄の行動力に感銘を受けました。今までは、ただ日本から脱出しただけだと思っていましたが、実際は国禁を犯してまで、また隠れながら脱国したので、決死の覚悟がありました。このように彼は素晴らしい行動力を持って、日々行動しています。失敗やリスクを考えて、なかなかチャレンジできていませんでしたが、これからは何事にもチャレンジしようと思えるようになりました。(2年次生)
- プログラムを通じて感じたことはたくさんあるが、その中でも特に、自分のこの旅のテーマでもあった同志社大学について、その創設者について学ぶという点においては、新島襄のこれまでの行動やその人柄を知ってこの旅に参加していない他の学生より一段と洗練された良き同志社学生になれた気がする。その意味で、自分の旅の目的は達成できたと思う。そして、4日間地元も年齢も違う初めて会った人たちと過ごすことで世の中にはこんな人がいるんだとか面白い人がいるんだと感じて、自分も感化された。この旅が終わればきっとまた会うことは難しいと思うから、そのことを思うと本当に一期一会の言葉に尽きると思う。人との出会いだけでなく、場所、時間なども全てその時にしか無い唯一のものだと思うと、改めてこれからの日々を毎日大切に過ごそうと思えた。(1年次生)
- 自分は行動を起こす前に十分に考えてから判断をすることが多い。だから、最終的な行動がなぜ悩んでいたのか分からなくなって、時間を浪費することが多かったと思う。新島は対照的に感じたことをすぐ判断して行動したことで、実績も伴っているし、尊敬もされている。まとめると、以下の3点に取り組む。①もう少し行動を重視すること②そして根本的な考え方を他者に聞かれた時、すぐに言語化できる状態にまで自己を研究したい。③次世代のものに触れることで、刺激を得て、この先の行動の指針に繋げたい。(3年次生)
- 自分を見つめ直すことができました。そして、参加前よりもはるかに「行動に対する意識」が向上し、自分の中で大きな成長を遂げたと実感しています。具体的には、グループワークでテーマを決めて、函館市をまわった際に、積極的に町のどこにパブリックアートがあるのか常にアンテナを張り、発見しては写真を撮って記録しました。また、博物館や資料館、市役所を訪れた際、そこでお話を聞く姿勢に熱心さ、知りたいという思いへの一直線な情熱、知識への貪欲さがあったと思います。この三点が新島の人柄と同様なのではないかと思い、創立者の「倜儻不羈」の人物になってきたのではないかと思います。(3年次生)
- 新島先生の行動力の高さをプログラムの至るところで知り、自分自身も新島先生が脱国した年齢に近づいている中で、この先の大学生活で、自分のやりたいこと、野望に向かって、とことん行動することを心掛けたいと思うようになりました。(1年次生)
- 全員が初対面ということで、会話をして情報を入手しないといけない状況だったため、今までと比べて人と積極的にコミュニケーションをとることに努めた。その結果協調性が少し身についたと感じる。(2年次生)
- 3日目のフィールドワークを通して、自分のテーマを決めて膨大な情報を渉猟しそれを整理して発表することの面白さを実感した。他人から研究者っぽいと言われることが多かったので不思議だったが、身体で納得することができた点で自分自身への再認識を行えたと思う。想像より自分がポジティブでアクティブだということに気づき、将来に対して前向きな気持ちを持つことができるようになった。(3年次生)
- 自分が全く関心を持ったことがなかった当たり前のことに着目したので視野が広がった気がした。また、新島の函館での行動を知ることが出来た。(2年次生)
課外プログラム概要 函館キャンプ 継志寮夏まつり WOT(ワット) クローバーシアター(CT) CLAP アッセンブリーアワー ボランティア支援室 |